17.12.3.

御霊の剣を取る

エペソ6:17

神が私たちに用意しておられる第6の霊的な「武具」は、「御霊の剣」(6:17)です。

1.聖霊によって与えられるレーマ

これまで学んで来た「かぶと」、「胸当て」、「盾」、「帯」「履物」は、全て防衛用です。
これらは、戦うための「武具」ではなく、自分を守るための「武具」です。
しかし、「剣」は攻撃用で、敵と戦うための唯一の「武具」です。
この「剣」は、「御霊の剣」と呼ばれ、「神のことば」であると言われています。
そして、「御霊の与える剣である、神のことば」の「ことば」は、「レーマ」となっています。
「レーマ」とは、必要な時に即興的に「御霊によって語られる言葉」です。
ですから、「御霊の与える剣である、神のことばを受け取りなさい」とは、
「その時々で聖霊が語られる御言葉を受け取りなさい」ということです。
悪魔の攻撃に対抗する武器が御言葉です。
マタイ4:1-11。イエスは、悪魔に対して、
御言葉を引用して「○○と書いてある」と宣言して、悪魔を退けられました。
イエスは、「神のことば」を「剣」として用いられました。
イエスは、悪魔の一つ一つの言葉に対して、適切な御言葉をもって立ち向かいました。
イエスは、「御霊によって語られた御言葉」である「レーマ」を用いられたのです。
悪魔は、いつ攻撃して来るか分かりません。その攻撃は、突然、不意にやって来ます。
私たちも、悪魔の攻撃に対して、イエスのように、
「御霊の剣」である「神のことば」をもって立ち向かうのです。
すなわち、その時その時に、聖霊によって与えられる適切な御言葉を用いるのです。
聖霊は、私たちの心に御言葉を思い起こさせて下さいます。
ヨハネ14:26。しかし、助け主、すなわち、父がわたしの名によってお遣わしになる聖霊は、
あなたがたにすべてのことを教え、
また、わたしがあなたがたに話したすべてのことを思い起こさせてくださいます。
ルカ12:12。言うべきことは、そのときに聖霊が教えてくださるからです。
聖霊によって、その時々に適切な御言葉「レーマ」が与えられるためには、
御言葉「ロゴス」の蓄えが必要です。
御言葉が与えられるためには、御言葉を覚えていなくてはならないのです。
ですから、聖書を読み、学び、覚え、心に御言葉を蓄えましょう。
御言葉の蓄えは、悪魔の攻撃に対する重要な備えです。
また、日頃から、主との交わりを持ち、御言葉を受ける訓練も必要です。

2.両刃の剣としてのレーマ

「神のことば」は、「両刃の剣」に例えられています。ヘブル4:12
・「たましいと霊」とは、切り分けることが出来ない霊的な部分です。
・「関節と骨髄」とは、人間の体の最も深い部分のことです。
・「考え」は、私たちの思い、今考えている事です。
・「はかりごと」は、やろうとしている事、計画、意図です。
「神のことば」は、「たましいと霊」のように、切れ分けることの出来ないような、
私たちの「考えやはかりごと」を切り分けることが出来ます。
「神のことば」は、「関節と骨髄」のように、
私たちの心の奥底にある私たちの「考えやはかりごと」を突き刺すものとなります。
すなわち、「神のことば」によって、私たちの「考えやはかりごと」、
考えている事ややろとしている事がどのようなものであるか、「判別することができます」。
(「判別する」:裁く。分析する。ふいにかける。審判され、その善悪良否が定められる)
私たちの「心」には、「いろいろな考えやはかりごと」が浮かびますが、
それは、人から出たものなのか、神から出たものなのか、悪魔から出たものなのか、
私たちの判断では、その「分かれ目」がよく分かりません。
神から出ているように見えても、善意や愛のように見えても、
私たちの肉の思い、自我(エゴ)やプライドや欲望などから出ていることもあります。
悪魔は、はっきりと「悪」と分かるようなことは言いません。
悪魔は、人間的には良い事、美しい事、御心のように思えるアイデアを提案します。
人生には、判断、選択、決断しなければならないことが沢山あます。
・自分が考えている事、やろうとしている事は、純粋な考えや動機のものでしょうか。
・表面的(見た目)には、人間的には、それは良い事のように見えますが、
そこには、不純な思いや動機がないでしょうか。
・それは、自分のしたいことですか、神が望んでおられることですか。
「人はうわべを見るが、主は心を見る」(Ⅰサムエル16:7)のです。
「神のことば」によって、「心のいろいろな考えやはかりごとを判別」することが出来ます。
この「神のことばの」の「ことば」も、「レーマ」です。
すなわち、聖霊が、私たちの心に御言葉を語りかけ、
私たちの心の中の思いや動機を探られるのです。
御言葉によって、私たちの心の奥底に隠れた思いや動機が暴かれ、
隠れていたものが明るみに出されるようになります。
「神のことば」によって、心の中のものが明らかにされたなら、
悪いもの、不純なもの、間違っているものを切り去るのです。
そうすることによって、悪魔の惑わしや誘惑を避けることが出来ます。

聖書を読み、学び、多くの御言葉を心に蓄え、
必要な時にはいつでも聖霊が御言葉を思い起こさせて下さるよう備えましょう。
また、御言葉によって、自分の思いや動機を判別していきましょう。
主は、聖霊を通して、絶えず語り掛けておられます。Cf.マタイ4:4
聖霊の語りかけに耳を傾け、聖霊の語りかけを聞く者となりましょう。
「御霊の与える剣である、神のことば」を受け取りましょう。

Filed under: 主の武具伊藤正登牧師