20.10.25

今日は、昔の人々が力を合わせて造り始めたバベルの塔が、神に喜ばれず、神の裁きにより中断してしまい、失敗に終わってしまった話です。

大洪水によってノアの箱舟はアララテ山に漂着しました(BC3000年頃)。アララテ山地は現在のトルコの東部にあり、トルコ、イラン、アゼルバイジャンの三国にまたがる山地です。大洪水から約100年後、人々はシヌアルの地、現在のイラクのユーフラテス川の東側にあるバビロンに住み着き、町を建て始めました。

それまでは石を積み上げて建物を造っていたのですが、彼らはよく焼いたレンガを用いました(創世記11:3)。また、彼らは粘土の代わりに瀝青という、粘着性の強いタールを用い、頑丈な建物を造りました。しかし、バビロンの人々は神に裁かれ、言語が混乱させられました。そのため、今日、多くの言語があるのです。彼らの言語は混乱したため、塔の建設は中断されて、人々は世界に散っていきました。現在、バビロンは遺跡だけの、誰も住んでいない荒れ地です。そのバベルの塔は、1876年に、イラクのバビロンで発見されました。

バベルの塔はなぜ神に喜ばれず、祝福されなかったのでしょうか。神に祝福されるためにはどうしたらよいのでしょうか。

1.御前にへりくだり、御名があがめられることを求めよう

  • 御前にへりくだろう

彼らがバベルの塔を建てた動機の一つは、「頂が天に届く塔を建て、名を上げよう」というものでした(創世記11:4)。頂が天に届くようにするのは、自分たちが神と等しくなろうとしたのです。それは高慢の罪であり、神に対する反逆でした。高ぶる者は退けられるのです(ヤコブ4:6)。そのためバビロンは荒れ地になったのです。自分を低くする者は高くされます(ルカ14:1118:14ヤコブ4:10Ⅰペテロ5:6)。神の祝福を受けるために必要なのはへりくだりです。すなわち、神に従うことです。自らを神のしもべ、奴隷として、どんなことでも従う姿勢がへりくだりです。

  • 主に祈り、主に頼ろう

バベルの人々は自分の力を過信し、自分の力で塔を建てようとしました。しかし、神の前にへりくだるなら、神の力で完成させることを目指しましょう。権力によらず、能力によらず、神の霊によってです(ゼカリヤ4:6)。自分の力を過信したら事故が起きます。人間は実は無力なのです(ヨハネ15:5詩篇127:1-2)。どんなときも神に祈り、神により頼み、神に信頼しましょう。神はそのような人を助け、失敗をも益に変えてくださいます(ローマ8:28)。

  • 御名があがめられることを求めよう

御前にへりくだるとは、主の御名を高めることです。主の御名があがめられることを求めましょう(マタイ6:9)。そうすれば主が私たちを高めてくださるのです(Ⅱテサロニケ1:12)。キリストも父なる神の御前にへりくだり、十字架にまで従い、いのちをもお捨てになりました。だからこそ神はキリストの名をすべての上に高く上げられました(ピリピ2:6-11)。これこそ私たちクリスチャンの模範なのです。

2.自分たちの国ではなく、神の国を求めよう

①神の国を第一に求めよう

彼らのもう一つの動機は「散らされないようにしよう」というものでした。しかし、この動機は神の御心ではありませんでした。神の御心は人間が全世界に満ちることでした。神は人々が世界に満ちて神に代わって世界を管理すること、神の支配が世界に及ぶことを願っておられたのです(創世記1:289:1-2)。大切なのは、この地に御国が実現することなのです。私たちは自分のしていることが、神の国の益になるのかどうかを考えましょう。動機が神の御心の通りなら、神が力を注いでくださるのです(Ⅱ歴代誌16:9マタイ6:33)。

②神を無視した人間中心の考え方に惑わされないようにしよう

このバベルの塔は人間による人間のための町づくりでした。それは現代の世界の流れでもあります。多くの人たち、メディアなどで、自己実現をしようとか、神を無視した人間中心の世界をつくろうと宣伝しています。私たちはこのような人間中心の価値観を持たないように気を付けましょう。神の国とその義とを第一に求める者となりましょう。

ゼカリヤ5章によると、終末時代にバビロンがシヌアルの地に再び建設されて、大商業都市になることが預言されています。事実、バビロン再建をしようとして世界は動いています。しかし、黙示録17-18章によると、バビロンは再び滅びることが預言されているのです。

 

バビロンに住み着いた人々は、高ぶりと自分たちの繁栄を求めて塔を建てようとしたので、神に罰せられてしまいました。神が彼らの言語を混乱させたので、彼らは塔の建設を中断し、世界に散っていきました。そしてバビロンは荒れ地になってしまいました。私たちは神の御前にへりくだり、神に祈りながら、神の御名が高くあがめられることを求めましょう。また、自分たちの繁栄ではなく、御国がこの地に来るようにと、神の国の繁栄を求めましょう。そのとき神の栄光が現わされ、神が私たちの活動を祝福し、完成させてくださるのです。

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