16.3.13.
新しい皮袋の心を持つ
イザヤ43:18,19、ルカ5:37,38
神様は、私たちの人生に新しい事をして下さいます。
1.主は全く新しい事をされる
神様が私たちになして下さる「新しい事」とは、
今までなかった、また考えもしなかった全く「新しい事」ということです。
イザヤ43:16,17では、出エジプトの出来事が語られています。出エジプト14章。
誰が紅海が二つに分かれると考えたでしょうか。
誰が海の中の乾いた地を通って逃げることが出来ると想像することが出来たでしょうか。
このようなことは、後にも先にもない全く「新しい事」でした。
神様は、人間が簡単に想像出来るような事、予測出来る事ではなく、
誰も思いも寄らないような「新しい事」をして下さるのです。Ⅰコリント2:9。
しかし、神様がなさる「新しい事」は、試練と共にやって来ることが多く、
時として、私たちにとって「災い」と思えるような形でやって来ます。
そのような時、御心を理解できず、戸惑ったり、恐れたり、不安を感じてしまいます。
しかし、たとえ、問題や困難に取り囲まれて、どうしようもない時でも、
神様は、私たちのために海を二つに分け、海の真ん中の乾いた地を進み行かされます。
神様は、私たちのために「荒野に道」を、「荒地に川」を造られるお方です。
神様は、私たちよりももっと大きなお考えを持っておられるのです。イザヤ55:8,9。
2.過去(古いもの)にとらわれない
神様は、「先の事どもを思い出すな。昔の事どもを考えるな」と言っておられます。
これは、過去を振り返ったり、古いものにとらわれてしまわないようにということです。
① 古い考え方ややり方にとらわれない
イスラエルの民は様々な困難に直面すると、エジプトでの過去の生活を懐かしみ、
エジプトでいた方が良かったとか、エジプトに帰ろうと言い出しました。
人は変化に伴うリスクを恐れ、慣れ親しんできたスタイルを変えたくないものです。
前に上手くいった事と同じ事をやっていれば良いと思い、努力しなくなってしまいます。
しかし、過去に執着し、古い考え方、古いやり方、今まで通りのやり方にとらわれ、
新たな事にチャレンジしようとしないなら、新しい事は何も始まらないのです。
② 過去の失敗にとらわれない
過去の否定的な出来事に思いが支配されて、新しい一歩を踏み出せないことがあります。
ヨハネ5:1-9。ベテスダの池の回廊には、38年間病気の人がいました。
彼は長い間そこで待ち続け、今までも駄目だったから、
どうせ何が起こっても駄目だろうと諦めてしまっていたのです。
過去の失敗にとらわれてしまうと、新しい事に対する希望も気力も失われてしまいます。
私たちは過去を振り返り、過去にとらわれないようにしなければなりません。ピリピ3:12-16。
3.新しい皮袋の心=新しい考え方
パリサイ人や律法学者たちは、古い律法的な考え方をしていました。
すなわち、古い考え方、古い習慣や伝統、古いやり方に縛られていました。
そのため、新しい恵みを理解することも、受け入れることも出来なかったのです。
それで主は「新しいぶどう酒は新しい皮袋に入れなければなりません」と言われたのです。
「古い皮袋」は、硬くなってしまい、伸び縮みすることはありません。
「新しいぶどう酒」はまだ発酵を終えていないので、それを「古い皮袋」に入れると、
発酵による圧力で「古い皮袋」を張り裂いてしまいます。
しかし、「新しい皮袋」は、柔らかく、伸び縮みするので、
「新しい皮袋」は「新しいぶどう酒」の発酵の圧力に耐えることができます。
ですから、「新しいぶどう酒は新しい皮袋に入れなければ」ならないのです。
「新しい皮袋」とは、「新しい心」すなわち「新しい考え方」です。
その人の人生を導くものは、その人の「心」すなわちその人の「考え方」です。
今日も神様は私たちに新しい恵み、新しい祝福を与えようとしておられ、
私たちを新しいレベル、新しい領域へと導こうとしておられます。
そのために、私たちも「新しい皮袋」の心が必要なのです。
4.新しい皮袋の心の性質
「新しい考え方」である「新しい心」となるとはどういうことでしょう。
① 教えられやすい柔らかな心
「教えられやすい心」とは、へりくだって学ぼうとする姿勢です。
イエス様は、マルコ4:3-9の「四つの土地」のたとえ話の後で、
「聞く耳のある者は聞きなさい」と、「聞く耳」を持つようにと言われました。
私たちもプライドという石を取り除き、柔らかな教えられやすい心で聞き、学ぶのです。
時には、自分が聞きたくないことでも、聞かなければなりません。
② 融通のきく柔らかな心
人生には、想定外の様々な出来事が起こります。
融通性や柔軟性がないと、様々な出来事に対処し、対応することが出来ません。
古い考え方、既成概念、今までのやり方、律法主義にとらわれてはいけません。
どのような神様の導きにも従うことの出来るように、
「どんな導きにも聞き従います」という心構えが必要です。
③ 耐え忍ぶ柔らかな心
新しい事を始めようとすると、困難や問題も起こり、
その新しい事が実を結ぶまでは時間がかかることもあるからです。
すぐに上手くいかないからと言って、諦めて途中で投げ出したりしてはなりません。
木が成長して実を結ぶようになるためには、その地に深く根を下さなければなりません。
しっかりとその地に根付くためには、耐え忍ぶことが必要なのです。ヘブル10:36-39。
神様が「新しい事」をして下さることを期待しましょう。
単に今までと同じことを繰り返すのではなく、過去の失敗にとらわれることなく、
「新しい事」がなされるために、「新しい皮袋」の心を持つ者となりましょう。
Filed under: 伊藤正登牧師