21.1.3

ネヘミヤは、「シュシャンの城」(1:1)で「アルタシャスタ王」(2:1)の「献酌官」(1:11)でした。「献酌官」とは、王の飲む酒の毒見をする人のことです。「献酌官」は、王の信頼を受けた人で、常に王の側にて、王と親しい関係にあり、単に毒見だけではなく、政治的な助言もしました。ですから、重要な地位にいました。また、ネヘミヤは、祈りによって、エルサレムの城壁修復を進めました。ネヘミヤは、どのような祈りをしたのでしょう。

1.主の前に心を注ぎ出して祈る

先にユダヤに帰還していたネヘミヤの「親類のひとりハナニが、ユダから来た数人の者といっしょに」(1:2)ネヘミヤを訪ねて来ました。ネヘミヤは、彼らから、ユダヤ人が「非常な困難の中にあり」、「そしり(悪口、非難)を受け」、「エルサレムの城壁はくずされ」たままになっているということを聞きました(1:3)。その悲惨な状況を聞いて、ネヘミヤは、心を痛め、悲しみました。

ネヘミヤは、ユダヤのユダヤ人たちのことやエルサレムのことを他人事ではなく、自分のこととして、主の前に、心を注ぎ出して、祈ったのです(1:4)。今日、この世界や私たちの周りにも様々な問題が数多くあります。それらは、自分とは直接関係ないことかもしれません。しかし、それを自分のことのように思い、心を注ぎ出して、とりなし祈ることが大切です。なせなら、私たちは、「祭司」として召されているからです(Ⅰペテ2:5,9)。「祭司」の役割は、主の前に出て、人々のためにとりなし祈ることです。

主は、とりなす者を捜し求めておられます(エゼ22:30)。「わたしの前で石垣を築き、破れ口を修理する」とは、壊れてしまった神との関係を修復することです。すなわち、神と人との間に立って、神と人が良い関係を持てるように、滅ぼされないで救われるように、とりなすことです。神は、「とりなす者」を捜し求めましたが、見つかりませんでした(イザ59:16)。「石垣を築き、破れ口を修理する者」、とりなし手となりましょう。

2.ネヘミヤの祈りの内容

ネヘミヤの祈りの内容は、どのようなものだったでしょうか。

① 偉大な主をたたえる

ネヘミヤは、主なる神がどのようなお方であるか、たたえました(1:5)。祭司たちは、主の前に出る時、動物のいけにえをささげなければなりませんでした。今日、イエスが十字架の上で、ご自身をいけにえとしてささげて下さったので、動物のいけにえをささげる必要はなくなりました(ヘブ9:11-12,14,26)。しかし、何も持たずに、主の前に出ることは出来ません(申16:16)。今日、主の前にささげるいけにえの一つが「賛美のいけにえ」(ヘブ13:15)です。ですから、私たちも、主をたたえながら、主の前に進み出るのです(詩100:4)。

② 罪を告白して赦しを求める

次に、ネヘミヤは、ユダヤ人の罪を告白し、赦しを求めました(1:6)。エルサレムが破壊され、ユダヤ人たちが捕囚になったのは、先祖たちの不信仰と不従順の罪、偶像礼拝の罪によるものでした。しかし、ネヘミヤは、先祖の罪を背負ったのです。そして、ユダヤ人が犯した罪を自分が犯した罪のように告白したのです(1:7)。さらに、悔い改めるなら、必ず回復させて下さるという主の約束に訴え、ユダヤ人のために赦しを求めました(1:8-10)。

③ 具体的な必要を求める

最後に、ネヘミヤは、具体的な必要を祈り求めました。ネヘミヤは、「この人の前に、あわれみを受けさせてくださいますように」(1:11)と祈りました。「この人」とはアルタシャスタ王のことで、王がエルサレムの城壁再建の許可を与えてくれるようにと祈ったのです。ネヘミヤは、祈りの中で、自分がどうするべきか示されたのではないでしょうか。祈りは、漠然としたものではなく、具体的でなければなりません。祈りつつ、主の御心を具体的に求めることが大切です。

3.主は祈りに応えて下さる

ネヘミヤは、ずっと祈りながら王に許可を求める機会をうかがっていたでしょう。そして、ネヘミヤが祈り始めてから約4ヶ月後、ついにその機会が訪れました。ある時、ネヘミヤは、王の前に出て、酒を差し出すことになりました(2:1)。しかし、ネヘミヤは、「悲しい顔つき」(2:2)をして王の前に出てしまいました。ネヘミヤは、「廃虚」となっているエルサレムについて、王に打ち明けました(2:3)。

すると王は、ネヘミヤに「では、あなたは何を願うのか」(2:4)と尋ねました。そこで、ネヘミヤは「天の神に祈ってから」(2:4)王に答えました。恐らく、ネヘミヤは、とっさに主に感謝し、主の知恵を求めたのでしょう。ネヘミヤは、自分をエルサレムの城壁「再建」(2:5)に派遣してくれるように願いました。すると、「王は快く」(2:6)ネヘミヤがエルサレムに行くことを許可してくれました。

更に、ネヘミヤは、大胆に2つのことを求めました。一つは、ユダヤまで安全に行けるように、「川向こうの総督たちへの手紙」すなわち通行許可証を出してほしいというものでした(2:7)。もう一つは、再建に必要な資材(木材)を与えてほしいというものでした(2:8)。ネヘミヤが王に直ぐに具体的な必要を求めることが出来たのは、ネヘミヤが日ごろから具体的な必要を祈り求めていたからです。そして、全てが驚くほどスムーズにかなえられました。「神の恵みの御手」(2:8)が、ネヘミヤの上にあったからです。

 

聖書には、人々のために熱心にとりなし祈った神のしもべたちがいました。アブラハム(創18:24)、モーセ(出32:31-32)、パウロ(ロマ9:1-3)、イエス(ルカ23:34)。主は、今日も、人々のために、とりなし祈る者を捜し求めておられます。ネヘミヤのように、「破れ口」に立って、とりなし祈る者となりましょう。