神ご自身が成功させて下さる

ネヘミヤ1-6章

21.2.28

ネヘミヤ記前半の16は、城壁再建がテーマで、後半の713は、

ユダヤ人の信仰再建がテーマとなっています。前半を振り返り、復習しましょう。

1章 ネヘミヤの祈り

ネヘミヤは、「エルサレムの城壁」が崩されたままであることを聞いて(3)、心を痛め、心を注ぎ出して祈りました(4)。その祈りの内容は3つあります。

① 偉大な主をたたえる(5)

ネヘミヤは、主なる神がどのようなお方であるか、たたえました。詩100:4

② 罪を告白して赦しを求める(6-10)

ネヘミヤは、自分たちユダヤ人の罪を告白し、主の約束に訴えて赦しを求めました。

③ 具体的な必要を求める(11)

ネヘミヤは、王がエルサレムの城壁再建の許可を与えてくれるようにと祈ったのです。私たちは、人々のためにとりなし祈る「祭司」として召されています(Ⅰペテ2:5,9)。主は、とりなす者を捜し求めておられます(エゼ22:30)。

2章 エルサレム帰還、城壁調査、城壁再建への励まし

約4ヶ月後、祈りは答えられ、ネヘミヤは、王の許可を得てエルサレムに行きました。ネヘミヤは、密かに城壁の調査した後、ユダヤ人たちを城壁の再建へと励ましました。

① 現状を認識させて問題意識を持たせる(17)

ユダヤ人たちは、もう何十年もの間、城壁が壊れたままの状態で生活して来ました。改めて現状を正しく認識し、問題意識を持たせることが必要だったのです。

② ビジョン(目標)を示す(17)

「幻」(箴29:18)、ビジョンがないと、何をしていいか分からず、何も成し遂げられません。しかし、その「幻」(ビジョン)とは、自分勝手な夢や目標ではなく、神からの啓示です。

③ 神の導きを証する(18)

ネヘミヤは、これまで神がどのように導いて、「恵みを下さった」かを話しました。ユダヤ人たちは、城壁再建が神の御心であると確信し、再建工事に「着手」しました(18)。すると、「サヌバラテ」や「トビヤ」は、ユダヤ人たちを「あざけり」、「さげす」みました(19)。しかし、ネヘミヤは、「天の神ご自身が、私たちを成功させてくだる。だから、そのしもべである私たちは、再建に取りかかっているのだ」(20)と言い返しました。

3章 一致協力による工事

3章には、どのようにして、工事が進められていったのか記録されています。

① 様々な人々が協力した : 皆で城壁を再建しようとした

「大祭司」や「祭司たち」(1)、「宮に仕えているしもべたち」(26)、「エリコ」などエルサレムから離れた町や村に住の人たち、「金細工人」や「香料作り」(8)、「商人」(32)。地区の「長」たち、若い「娘たち」(12)。

② 自分の分担を果たした : 自分の出来ることを精一杯行った

城壁の修復部分が細かく分けられて、基本的に自分の住んでいる場所の近くの部分、あるいは自分の務めに関わる部分をそれぞれ修復しました。

③ 連携して工事を進めた : コミュニケーションをとり協力した

3章には、「次に」と「そのあとに」という言葉が沢山出て来ます。つまり、城壁再建工事が、途中で途切れることなく、「連携」して行われたということです。

こうして、ユダヤ人たちは、一致協力して城壁再建工事を進めていきました。教会を建て上げることにも、福音を伝えるということにも、一致協力が必要です。

4章 敵の妨害に対する対処

サヌバラテは、城壁が修復されていることを聞き、「怒り、また非常に憤慨」(1)しました。主に従い仕え、主の働きを始めようとする時に、敵の妨害が起こるのです(Ⅱテモ3:12)。

① 敵対者からのあざけり → 祈る(主の前に問題を持って行く(1-4)

サヌバラテとトビヤは、ユダヤ人たちをあざけ、彼らの士気を挫こうとしました。ネヘミヤは、敵対者に応答せず、彼らのあざけりを主の前に持って行きました。ロマ12:19。工事は順調に進み、城壁は「その高さの半分まで継ぎ合わされ」(6)ました。

② 敵対者からのおどし(10-23)

敵対者たちは、ユダヤ人たちを脅し、恐れさせ、工事を妨げようとしました。ネヘミヤはユダヤ人たちの恐れを取り除くために、3つのことをしました。

a) 一緒にいることによって (13)

ネヘミヤは、働き人たちの家族をエルサレムに呼び、「城壁のうしろ」に家族で一緒にいられるようにしました。ヘブ10:25

b) 主を覚えることによって (14)

ユダヤ人たちの心の目を敵対者にではなく、大いなる神に向けさせました。イザ41:10。敵対者たちは、彼らの策略を「神が…打ちこわされたということを」認めました(15)。そして、ユダヤ人たちは「みな、城壁に帰り、それぞれ自分の工事に」(15)戻りました。

c) 武具をもって守りを強化する (16-23)

ネヘミヤは、将来の攻撃にも備え、工事をする者たちにも武器を持たせました。聖書は「神のすべての武具を身に着けなさい」(エペ6:11)と言っています。Cf.エペ6:11-18。「私たちの戦いの武器は、…要塞をも破るほどに力のあるものです。」(Ⅱコリ10:4)

5章 内部問題に対する対処

貧しいユダヤ人たちが、富んだユダヤ人たちに対し、「強い抗議の声を上げ」(1)ました。

a) 第一の訴え : 食料不足(2)。

b) 第二の訴え : 天候不順による不作(3)。

c) 第三の訴え : 重税と経済的破綻(行き詰まり)(4-5)。

この問題をそのままにしておいたら、内部分裂を起こし、工事は中断してしまいます。

ネヘミヤは「非常に怒」(6)り、「おもだった者たちや代表者たちを非難」しました(7)。

a) 同胞から担保を取って金を貸している(7)

b) 同胞を奴隷として売ろうとしている(8)

c) 神を恐れながら歩め(9)

ネヘミヤは、豊かなユダヤ人たちに対して、具体的にどうするべきか教えました。

① 負債の帳消し(10)

ネヘミヤも自分の親類も若い部下たちも、無利子で「金や穀物」を貸していましたが、その貸した「金や穀物」の返済を免除すると言ったのです。

② 畑と家と利子の返還(11)

借金の抵当としていた「畑、ぶどう畑、オリーブ畑、家」を返すようにということです。次に貧しいユダヤ人たちから高利で取った「利子」を彼らに返すようにということです。

③ ネヘミヤの模範(14-19)

a) 総督としての手当を受けなかった(14)

b) 重税を取らなかった(15)

c) 威張り散らさなかった(15)

d) 農地を買わなかった(16)

e) 物惜しみしなかった(17-18) 

ネヘミヤ記5章全体かに流れている一つのテーマは、「憐れみ」です。私たちの「主は、あわれみ深く、情け深い」(詩103:8)お方です。主は、私たちにも憐れみ深くあるようにと願っておられます(マタ9:13、ルカ6:36-38)。「あわれみの心を閉ざす」(Ⅰヨハ3:17)ことせず、助けの手をさし伸ばすことが大切です。また、借金を免除するということは、罪を赦すという意味もあります。 マタ6:12、ルカ11:4。主に赦された者として人を赦さなければならなりません(マタ18:23-35、エペ4:32、コロ3:13)。

6章 個人的攻撃に対する対処

ついに「城壁」は建て直され、「破れ口は残されていない」状態になりました(1)。敵対者たちの攻撃は、ネヘミヤ個人に向けられるようになりました。

① 横道への誘導(2-4) → 優先順位を確立する(マタ6:33)

サヌバラテとゲシェムは、「オノの平地にある村の一つで会見しよう」(2)と語りかけました。ネヘミヤは、彼らが暗殺しようと企んでいることを見抜き、はっきりと断りました。敵は、私たちを横道に逸らせようとしますが、優先順位を確立することが大切です。

② 中傷による脅し(5-9) → 批判されても相手にしない(ロマ12:19)

サヌバラテは、ネヘミヤに「一通の開封した手紙」(5)を送りました。その内容は、ネヘミヤについての中傷でした。ネヘミヤを脅迫しようとしたのです。ネヘミヤは、それをはっきりと否定し、「私を力づけてください」とただ主に祈りました(9)。

③ 罪への誘惑(10-14) → 敵の誘いにはっきりと「いいえ」と言う(ヤコ4:7)

シェマヤは、ネヘミヤを神殿に誘い込み、罪を犯させようとしました。ネヘミヤは、敵対者の策略を見抜き、その誘いをはっきりと断りました。

 

「こうして、城壁は五十二日かかって…完成」(15)しました。これは驚くべきことです。ユダヤの「回りの諸国民はみな恐れ、大いに面目を失っ」(16)てしまいました。敵対者たちは「この工事が神によってなされたことを知った」(17)のです。主に祈り、知恵と力と導きを得ながら、主に仕え、主の働きをしましょう。「『権力によらず、能力によらず、わたしの霊によって』と万軍の主は仰せられる。」(ゼカ4:6)

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