16.4.17.
天に上られたイエス様
使徒1:3-11
イエス様は、復活された後、「四十日間」この地上を歩まれ、
「数多くの確かな証拠をもって、ご自分が生きていることを使徒たちに示され」ました。(3)
この時、イエス様と弟子たちは、エルサレムの東隣にあるオリーブ山にいました。(12)
そして、「イエスは彼らが見ている間に上げられ、雲に包まれて、見えなくなった」(9)のです。
なぜ、よみがえられたイエス様は天に上られたのでしょうか。
天に帰らず、そのままずっとこの地上に残っていた方が、良かったのではないでしょうか。
イエス様が天に上げられたことには、3つの理由がありました。
1.私たちに聖霊を遣わすため
イエス様は、「もうひとりの助け主」である聖霊を私たちに送って下さるために、
天に上られました。ヨハネ14:16,17、16:7。
「もうひとりの」とは、イエス様と同じお方であるもう一人という意味です。
ですから、「もうひとりの助け主」である聖霊が私たちと共におられるということは、
イエス様が私たちと共におられるということと同じことなのです。
イエス様は、天に上げられ、天の父なる神様の右の座に着かれましたが、
同時に、地上で弟子たちと共に働かれました。マルコ16:19,20。
それは「もうひとりの助け主」である聖霊が彼らと共におられ、働かれたということです。
たとえ、よみがえられたイエス様がこの地上に残られたとしも、
イエス様がおられる場所は一か所に限定されてしまいます。
しかし、聖霊は霊でから、場所に限定されることはありません。
世界中どこででも、イエス様を信じる者と常に共にいて下さるのです。
ですから、イエス様がこの地上に残るよりも、天に上げられて、
代わりに聖霊が送られるということは、私たちにとっては益なのです。
イエス様は、天に帰られる前に、「父の約束」を待ち望むようにと言われました。使徒1:4。
その約束とは、私たちに聖霊が与えられるという約束です。
イエス様は、私たちが聖霊に満たされ、
イエス様の証人となるための力を得ることを望んでおられるのです。使徒1:8。
2.私たちのために執り成すため
天に上られたイエス様は、マルコ16:19にある通り、父なる「神の右の座に着かれ」ました。
そして、そこでイエス様は私たちのために日夜執り成しておられるのです。ローマ8:34。
私たちがイエス様を救い主であると信じるなら。
私たちの罪は赦され、私たちは義とされ、神様の子どもとして受け入れられます。
もはや私たちは「罪に定められることは決してありません」(ローマ8:1)。
しかし、救われた後も、私たちは自分の弱さや愚かさによって、
失敗してしまったり、過ちを犯してしまうこともあります。
すると、「告発者」である悪魔は、日夜私たちを「神の御前で訴えている」のです。黙示12:10。
しかし、イエス様は、十字架で「父よ。彼らをお赦しください」(ルカ23:34)と祈られたように、
今日も私たちのために執り成しておられるのです。へブル7:24,25。Cf.へブル8:1,2。
ですから、私たちは、信仰によって、力強く、次のように宣言することが出来るのです。
ローマ8:33。神に選ばれた人々を訴えるのはだれですか。神が義と認めてくださるのです。
また、たとえ私たちが罪を犯してしまうようなかとがあっても、
自分の罪を言い表すなら、神様は私たちを赦し、きよめて下さいます。Ⅰヨハネ1:9。
イエス様が天に上られたのは、天の父なる神様の右の座で、
私たちのために執り成しをするためであったのです。
イエス様が私たちのために執り成して下さっておられることを感謝しましょう。
3.私たちのために場所を備えるため
イエス様がこの世を去って、天の父なる神様の元に帰られるのは、
私たちのために「父の家に」「場所を備え」るためでした。ヨハネ14:1,2。
「わたしの父の家」とは、「天国」すなわち「パラダイス」と呼ばれる死後の場所です。
イエス様を信じて救われている私たちクリスチャンは、
肉体が死んだ後、「パラダイス」に行きます。ルカ23:43。
不信者は、「ハデス」と呼ばれる炎の燃える「苦しみの場所」に行きます。ルカ16:22-24。
「パラダイス」はルカ16:22では「アブラハムのふところ」とも呼ばれる「慰めの場所」です。
「パラダイス」の様子は、黙示録に垣間見ることが出来ます。黙示21:4、22:1-5。
イエス様は「パラダイス」である「父の家」に私たちのために「場所を備え」ておられます。
そして、「場所を備えたら、また来て、あなたがたをわたしのもとに迎えます」(ヨハネ14:3)。
これは、単に死んだ後のお迎えのことではなく、イエス様のむ再臨についてです。
やがて、いつの日か、二人の御使いたちが弟子たちに語られた通り、
イエス様はもう一度この世界に戻って来られるのです。使徒1:11。
イエス様は、天に上られましたが、いつの日か、再びこの世界に帰って来られるのです。
そして、その時、私たちは天の「父の家」に招き入れられるのです。
その日はいつであるかは分かりませんが、その日が近づいていることは確かです。
主の再臨を待ち望みましょう。
イエス様は、今、天の父なる神様の右の座におられます。
イエス様は、私たちのために聖霊を注がれ、私たちのために執り成しておられ、
私たちのために場所を備えておられます。
そして、いつの日か、イエス様は私たちを迎えるために帰って来られます。
その時まで、私たちのなすべきことは、福音を宣べ伝えることです。
神様は、一人でも多くの人々が、イエス・キリストを通して、
ご自分の元に立ち返ることを願っておられます。
聖霊に満たされて、福音を宣べ伝えていきましょう。