Ⅰサムエル12章

23.7.16.
12章は、サムエルがサウルと指導者の役割を交代する際に、イスラエルの人々に語った最後のメッセージとなっています。サムエルは、どのようなメッセージをイスラエルの人々に残したのでしょうか。
1.主がいかに誠実な方であるかを思い起こしなさい
サムエルは、若い時からイスラエルの指導者として、イスラエルを導いて来ました(2)。さらに、サムエルは、自分の真実さを述べました(3)。これに対して、イスラエルの人々もサムエルの潔白さを認めました(4)。続けてサムエルは、イスラエルの歴史における神の御業と真実さについて語りました(6,8)。エジプトに移住したイスラエルの民は、迫害され、苦しめられました。しかし、イスラエルの民が主に助けを叫び求めると、主はモーセとアロンを遣わして、イスラエルの民をエジプトから解放し、カナンの地へと導いて下さいました。
しかしイスラエルの人々は、自分たちの神を退けて、他の神々を求めてしまったのです(9)。そのため、イスラエルは、カナンの地の他民族によって圧迫されることになりました。しかし、イスラエルの人々が自分たちの罪を認め、悔い改め、主に助けを叫び求めた時、主は、イスラエルに士師たちを送り、イスラエルを敵から救って下さいました(10-11)。
このように、イスラエルは、何度も主を裏切り、主から離れていきましたが、彼らが主に立ち返る時、主は何度でも彼らを憐れみ赦し続けて下さったのです。イスラエルは、主に対して不誠実でしたが、主はイスラエルに対して常に誠実でした。サムエルは、主がどんなに誠実なお方であるかを思い起こすようにと語ったのです。
私たちも、私たちに対する主の誠実さを忘れてはなりません。詩篇103:2にも「主の良くしてくださったことを何一つ忘れるな」と命じられています。これに続いて、3~5節で、主がどんなに誠実な方であるかということが語られています。私たちも、私たちに対する主の誠実さを思い起こし、感謝しなければなりません。
2.主を恐れ、主に仕え、主の御声に聞き従いなさい
イスラエルにとって、主ご自身が彼らの王でした。しかし、イスラエルの人々は、他の国のような人間の王を求めました(12)。結局、イスラエルの人々は、今まで自分たちを守り導いて下さった主を退けたのです。これは、主の御心を大きく傷つけることでした。しかし、主は、イスラエルの人々の求めを受け入れ、王をお立てになりました(13)。
そして、この後、サムエルは、大切なことをイスラエルの人々に命じました。それは、「主を恐れ、主に仕え、主の御声に聞き従い」(14)なさいということでした。サムエルは、「あなたがたも、あなたがたを治める王も」と言って、イスラエルの人々も、王も、主を恐れ、主に仕え、聞き従わなければならないのです。イスラエルの本当の王は、主なる神だけだからです。サムエルは、イスラエルの指導者として退くにあたり、主に従うようにと繰り返して言いました(20,25)。
イスラエルの人々が主を恐れ、主に仕え、主の御声に聞き従うなら、「まことに主は、ご自分の偉大な御名のために、ご自分の民を捨て去らない」(22)と約束されました。しかし、「もし、あなたがたが主の御声に聞き従わず、主の命令に逆らうなら、主の手があなたがたの先祖たちに下ったように、あなたがたの上にも下る」(15)と言われました。そして、最後にもう一度、サムエルはイスラエルの人々に警告しました。「あなたがたが悪を重ねるなら、あなたがたも、あなだかたの王も滅ぼし尽くされる」(25)。Cf.Ⅱ歴15:2。
私たちも、主なる神を王として敬い、主の御言葉に聞き従わなくてはならないのです。私たちが主に聞き従うなら、主は私たちを祝福して下さいます。
まとめ&結論
① 私たちに対する主の誠実さを思い起こし、感謝しましょう
私たちは、目先の事ばかり目を向けたり、毎日忙しく動き回ったりして、今まで主が成して下さった事を忘れてしまっていることはないでしょうか。イスラエルの人々のように、神よりもお金、仕事、この世の物を求めていないでしょうか。特に、不安を覚える時、自分の力ではどうすることも出来ない状況にある時、目で見ることの出来ない神よりも、目で見ることの出来るものに頼ってしまいがちです。しかし、主がこれまでどのようなことをして下さったか、主の誠実さを思い起こし、感謝しつつ、前に進ませていただきましょう。
② 主を恐れ、主に仕え、主の御声に聞き従いましょう
私たちの人生の主、王は、誰になっているでしょうか。神が私たちの主、私たちの王だということを忘れてはなりません。私たちを愛し、守り、導いて下さる神を私たちの真の主、王とするのです。神に私たちの人生のあらゆる領域を治めていただくのです。私たちの家庭、職場、学校、人間関係において、主の御言葉に従うのです。主は、私たちを助け、守り、導いて下さいます。どんな時にも、主を恐れ、主に仕え、主の御言葉に聞き従いましょう。
誠実な主に誠実に仕えていきましょう。